ポテンシャル採用への理解について
日本での就職を希望する外国人の方から、どうしたら日本の会社に就職できますか?という、非常に大きなテーマでの質問をいただくことがあります。なんともザックリした質問だなあ・・・と思いつつ、この質問がでてくる背景もなんとなく理解できているつもりです。
それは、日本の多くの企業が若年層(新卒クラスから、20代後半くらいまで)の方を採用する場合、求職者の面接時の経験や能力(スペック)よりも、ノビシロといいますか、ポテンシャルを重視する傾向があり、これが外国人の方には理解がとっても難しいのだろうと思っています。
ポテンシャル採用とは、潜在的かつ本来的な資質や可能性を含めた能力を重視し、今できることという現在のスキルよりも、これから発揮されるであろう潜在的能力を重視して採用可否を決定することを言います。日本では従来より若年層採用には、このポテンシャル採用が活用されてきていて、結果的に、経験やスキルが不足している若者にも就職のチャンスが与えられてきたというメリットがあります。
しかしながら、海外の諸外国ではあまり、ポテンシャル採用はあまり行われていない?(私も詳しく調べたわけではないのですが・・・)、当社のJIKOPYを利用する外国人の方々には、なかなか理解が難しいようです。
ここも企業によって詳細は異なるとは思いますが、主にポテンシャル採用で重視する能力としては、下記のような項目が一般的にはよく言われています。
(1)チャレンジ精神(変革する力、バイタリティ)
(2)チームワーク力(共感力、チーム志向)
(3)コミュニケーション力(論理的思考、伝える力)
(4)リーダーシップ力(周囲を巻き込む力、主導力)
(5)主体的行動力(自律的アクティビィティ、やりぬく力)
(6)グローバル素養(異文化受容力、語学力)
外国人の方にとっては、(6)は良いとして、(1)から(5)までが分かりにくいのだと思います。よく分からないこととしては、採用面接の中で、これをどうやって判断しているのか?ということだと思います。
たった数十分の面接でこれらの能力を正確に測るのは、実は非常に困難だとは思います。つまり、ポテンシャル採用というのは企業側にとっては、かなり感覚的なこととも言えます。日本人同士であれば、まだ、なんとなく、あうんの呼吸?で、わかるような、(わからないような)こともあるのかもしれませんが、外国人にとっては、不採用の理由に上記のような内容が入ってくると、全く分からない!で、次はどうすればいいの??になってしまうのだと思います。
これは文化の違いでもあるような気がするので、一朝一夕で何かが変わるような話でもないと思いますが、当社ではこの状況に対しては、
・外国人に根気よく日本のポテンシャル採用のポイントなどを説明する(かなりベタです・・)
・採用データとその後の活躍データを蓄積して、少しでもポテンシャル評価を数値化できる仕組みを作る
この2つに取り組んでいます。
人と企業のマッチングについて、全てデータで語れるとは思っておりませんが、文化の違いなども含めてギャップを埋めるお役に立てたらと思ってもいます。